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初級シスアド 平成16年 春期 問40 解説
解答:ウ
システム開発においてユーザー部門の役割は、次のとおりである。
- どのようなシステムが必要であるか要求を伝える
- 要求どおりにシステムができているか確認する
- システムの使い勝手はどうかを評価する
- どのようにしてシステムを使っていくか
これをもう少し詳しく書くと次のようになる。
- そのシステムへの予算を考慮した仕様決定
- システムテスト、運用テストなどを通じたシステムの確認
- システムのマニュアルの作成
- システムの使い方などの導入教育
要約すると、開発すべきシステムの内容を的確に伝え、実際にシステムがそのようにできているか使い勝手を含めて確認することである。システムの開発方法やプログラムの詳細は開発側に任せる。
家の建築で例えるなら、家を作ってもらう人は最初にどのような家を造って欲しいか設計者と綿密な打ち合わせを行う。ここできちんと設計者に意向を伝えておかないと思ったような家ができない。
どのような家を造るかが決まると設計図を元に大工さんが家を建てる。このとき家を造ることを依頼した人が柱の加工方法や施工方法に口出しすると現場が混乱してしまう。家の施工は専門家である大工さんに任せればよい。
家が完成したら、要望どおりの家ができているか確認し、もし細部の不具合があれば修正する。これと同じ考え方である。家を作ってもらう人がユーザー部門で大工さんが開発部門である。
- ア システム開発に限らず投資効果や費用対効果は必ず考慮すべきである。投資効果や費用対効果と聞くと難しく思えるが、要するにどれだけのお金を使って、どれだけの利益を出せるか、または節約できるかということだ。
- イ システム開発において、どういったシステムを作るかという仕様の決定や要求どおりにシステムができているか確認するテストにはユーザー部門は参加するべきである。
- エ 最低限のコンピューターの知識は必要である。しかし、業務知識を多く持っていることのほうがもっと重要である。業務知識が少なければ、仕様を決定するときに必要な機能が盛り込まれない場合もある。このためテスト段階で大幅な修正や追加が発生したり、最終的に完成したシステムは業務のノウハウを十分に反映されていないので、使い勝手が悪かったり、効率が悪いシステムになる可能性があるからだ。