スポンサードリンク

初級シスアド 平成16年 春期 問39 解説

解答:ウ

業務手順書は、実際に業務を行うエンドユーザー(利用者)が使用するものである。エンドユーザーはITに詳しいとは限らない。このことを考慮して業務手順書は作成されていなければならない。つまり、開発者(エンジニア)の立場ではなく、エンドユーザーの立場に立って記述されていなければならないということだ。

このような問題を解くときは、自分が実際に操作するユーザーの立場になって考えればよい。例えば自分がまったく知らない機器があり、マニュアルを見ながら操作するときなどだ。

  • ア 業務の体系と流れ、すなわち業務の全体像が明確になっていればユーザーはそれぞれの操作目的が理解できる。したがって、分かりやすい業務手順書である。
  • イ システムの障害発生時の対処が書いてあればユーザーはそれにしたがって適切な対処ができる。これが記述されていることで分かりにくいというクレームは発生しない。
  • ウ プログラム設計書はエンジニアのためのドキュメントである。この内容をそのまま記述するとどうなるだろうか。文中に専門用語がたくさん出てきてユーザーにとっては、まるで自分の知らない外国語で記述された文書のように思え、とても分かりにくい内容になる。
    子供に法律を守ることの大切さを教えるときに「コンプライアンスはとても大切なこと」とは言わないだろう。このように言われてもほとんどの子供はコンプライアンスという単語を知らないからだ。「法律を守ることはとても大切なこと」と言えば子供でも理解できる。これと同じである。
  • エ 分かりにくかって部分を修正することで当然分かりやすくなる。それに加えて、変更経歴を1カ所にまとめることで、ユーザーは以前のマニュアルから変更個所のみを参照すればよく、再度マニュアルのすべてに目を通す必要がない。これによって時間の節約にもなるので親切である。
    想像してみて欲しい。何度も300ページもあるマニュアルを1ページ目から目を通さなければいけないところを。たいへんなことが想像できるだろう。

運用テストは、テスト工程における最終テストである。詳細は初級シスアド講座 テストを参照して欲しい。

参考
システム開発技法
初級シスアド 平成16年 春期 問36 テスト