初級シスアド 過去問題 平成15年度 秋期 午後（問４）

　Ｐ研究所では，学術書や論文集などの書籍を購入し，所員に貸し出している。貸出しなどの書籍の管理は，数年前に開発した書籍管理システムで行っている。現在のシステムでは，論文集を１冊の書籍として管理しているが，その中の個々の論文までは管理していない。
　最近は，取り扱う書籍の中で論文集の占める割合が高まっており，論文単位で検索したいとの要望が多くなってきている。そこで，論文の情報も管理することにし，その検索機能（以下，論文検索機能という）を追加することになった。
　論文の情報は，新たに作成した論文表で管理する。論文表追加後の書籍管理システムのデータベース構造は，図１のとおりである。

　ジャンルは，所員の研究分野に対応して区分されている。
　貸出表の返却日には，初めNULLが入っており，書籍が返却されると返却日が登録される。
　論文表の論文番号は，収録されている論文集の中で一意になる値が登録される。発表年には論文が発表された西暦年が登録され，キーワードには論文の内容に応じたキーワードが一つ登録される。
 

　論文検索機能は，検索条件として入力された文字列（以下，［検索文字列］と表す）で論文表のキーワードを検索し，［検索文字列］とキーワードが完全に一致する論文の情報を表示する。収録されている論文集が貸出中の場合は，返却予定日を併せて表示する。
　［検索文字列］で検索を行い，必要な情報を出力するために次のようなSQL文を作成したが，期待した結果が得られなかった。

SELECT　論文表.論文名，論文表.論文著者，論文表.発表年，書籍表.書籍番号，
　　         書籍表.書籍名，ジャンル表.ジャンル名，貸出表.返却予定日
　 FROM　論文表，書籍表，ジャンル表，貸出表
　 WHERE　論文表.キーワード ＝ ［検索文字列］
　　　AND　論文表.書籍番号 ＝ 書籍表.書籍番号
　　　AND　書籍表.ジャンル番号 ＝ ジャンル表.ジャンル番号
　　　AND　書籍表.書籍番号 ＝ 貸出表.書籍番号
　　　AND　貸出表.返却日　IS　NULL

　検証したところ，作成したSQL文では 【　　e　　】 ことが判明した。そこで，正しい結果を得るために，SQL文中の 【　　f　　】 と 【　　g　　】 の結合が外部結合の形になるようにSQL文全体を修正した。

　論文検索機能を次のように強化し，使い勝手の向上を図ることにした。

　［検索文字列］，［検索開始年］，［検索終了年］の三つの検索条件が同時に指定されたとき，それらをすべて満たす論文を検索する条件は，次のとおりである。

　　　　　　（キーワードの一部分でも［検索文字列］に一致
　　　　　　 【　　h　　】
　　　　　　 論文名の一部分でも［検索文字列］に一致）
               【　　i　　】
　　　　　　（発表年が[検索開始年] 【　　j　　】
　　　　　　 【　　i　　】
　　　　　　 発表年が[検索終了年] 【　　k　　】）

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