初級シスアド 過去問題 平成11年 秋期 午後(問2)

■問2■

 ソフトウェアの使用ルールに関する次の記述を読んで、設問1、2に答えよ。

 部員が 30 名いる営業部で部内の情報化推進を担当しているAさんは、全社の情報化を統括している情報システム部から、次のような会社としてのソフトウェアの使用ルールがあるので、ソフトウェアライセンスの不正利用がないように、改めて十分な管理を行うように指示を受けた。

〔ソフトウェアの使用ルール〕
1.  会社の業務で使用するソフトウェアは、会社が購入して支給する。
2.  各パソコンの OS については、“OS-99” を使用する。
3.  各パソコンに導入するワープロソフト及び表計算ソフトは、統合パッケージソフトの “OP-1” を使用する。
4.  仮名漢字変換用ソフト、電子メール用ソフト及びブラウザは、“OS-99” に標準添付されているものを使用する。
5.  ワクチンソフトには、“VB-98” を使用する。
6.  その他のソフトウェアは、基本的に使用を禁止する。ただし、業務上特に必要な場合は、各部の部長の了承を得て、情報システム部に申請して承認を得る。

 Aさんは、ソフトウェアの使用許諾範囲を理解するために、ソフトウェアの使用ルールに記されているソフトウェアの “OS-99” ,“OP-1” と “VB-98” について、使用許諾契約書を探した。その過程で、使用が認められていないワープロソフト “WP-1” と、仮名漢字変換用ソフト “FEP-7” の使用許諾契約書も見つかった。それぞれのソフトウェアの使用許諾契約書のライセンス許諾の部分には、次のような記述があった。

〔“OS-99” のライセンス許諾内容〕
 お客様は、ソフトウェア製品のコピー 1 部を 1 台のコンピュータにインストールして使用することができます。
 
〔“OP-1” のライセンス許諾内容〕
 お客様は、本ソフトウェア製品のコピー 1 部を特定の 1 台のコンピュータ上にインストールして使用することができます。また、本ソフトウェア製品が記憶装置にインストールされ、かつそのコンピュータを使用する方が特定の 1 人に限られている場合、そのコンピュータに組み込まれている本ソフトウェア製品を同時に使用しない限り、その方が専用に使用される別の 1 台の携帯用コンピュータ上にて本ソフトウェア製品を使用することができます。
 
〔“VB-98” のライセンス許諾内容〕
 ソフトウェア製品をお客様ご自身が、お客様が保有する単一のコンピュータ上で使用する権利を承諾いたします。
 
〔“WP-1” と “FEP-7” のライセンス許諾内容 : 同じ内容〕
@  ソフトウェアを 1 台のコンピュータに複製(インストール)して使用することができます。
A  ソフトウェアを使用する人が特定の 1 人に限られている場合は、同時にソフトウェアを使用しないという条件で、その人だけが使用する他のコンピュータにソフトウェアをインストールして使用できます。

 Aさんは営業部におけるパソコンなどの導入状況について調査した。
 営業部では、1996 年当時に所属していた全部員に、パソコンと必要なソフトウェアを個別に購入した。その後、新人などが新たに配属されたときには、同様にパソコンと必要なソフトウェアを購入している。

 Aさんは以上の状況をふまえた上で、この問題に取り組むことにした。

■設問1■
 Aさんは、各ソフトウェアのライセンス許諾内容をもとに、営業部員のソフトウェアのインストール状況を調べ、不正利用などの有無を判断した。
 次の記述における 【    】 の部分は、ソフトウェアの使用ルール、ライセンス許諾内容に基づく正しい判断である。【    】 に入れる適切な字句を、解答群の中から選べ。解答は重複して選んでもよい。
 
(1)  B氏のパソコンには、1996 年当時に “OP-1” のバージョン 4 が導入された。その後、配属された新人のC君用に “OP-1” のバージョン 5 が購入された。B氏は、バージョン 5 の方が機能を豊富にもっているので、C君からインストール用の CD-ROM を借り、自分の使っているパソコンにインストールしていた。この件は、【  a  】。
(2)  D氏は、自分の使っているパソコンがたびたび異常終了するので、ハードディスクをフォーマットして、そのパソコン用に購入した “OS-99” を再度インストールしていた。この件は、【  b  】。
(3)  E氏は、インターネット上のあるサイトにフリーソフトとして公開されていた圧縮伸張用のソフトウェアを自分で入手し、会社のパソコンにインストールしていた。この件は、【  c  】。
(4)  F氏は、自宅で家族も使用するパソコン用に買った “FEP-7” の操作に慣れているので、ソフトウェア一式を会社にもってきて、会社のパソコンにインストールしていた。この件は、【  d  】。
(5)  G氏は、“OP-1” の最新バージョンの海賊版ソフトウェアが通常より格安な価格でインターネット上で販売されていたので、個人負担で申し込んだ。販売業者から送られてきた CD-R を用いて会社のパソコンにインストールしていた。この件は、【  e  】。
(6)  H氏は、事務所で使うパソコンに加え、顧客を訪問営業するときに使用する携帯パソコンを会社に購入してもらった。事務所のパソコン用に購入した “OP-1” を、携帯パソコンにもインストールしていた。この件は、【  f  】。
(7)  H氏は “VB-98” についても、事務所のパソコン用に購入した CD-ROM を使って携帯パソコンにインストールしていた。この件は、【  g  】。
(8)  I 氏は、重要顧客からその顧客へ提出する文書は “WP-1” で作成するように要請されたので、情報システム部の承認を得て購入してもらい、自分の使っている会社のパソコンにインストールしていた。この件は、【  h  】。

解答群
 ア ソフトウェアの使用ルールに違反していないし、ライセンス許諾内容にも違反していない
 イ ソフトウェアの使用ルールに違反していないが、ライセンス許諾内容に違反している
 ウ ソフトウェアの使用ルールに違反しているが、ライセンス許諾内容に違反していない
 エ ソフトウェアの使用ルールに違反しているし、ライセンス許諾内容にも違反している

■設問2■
 Aさんは、ソフトウェアの使用ルールを遵守し、ライセンス違反を防止し、更に営業部でのソフトウェア管理を容易にするために各種の契約形態を調べ、主要なソフトウェア導入の仕方を検討した。次の記述中の 【    】 に入れる適切な字句を、解答群の中から選べ。
 
(1)  ワクチンソフトのように、すべてのパソコン上で常時稼働しているソフトウェアについては、部内の全パソコンにインストールでき、また新人が配属されても追加契約をしなくて済むように、【  i  】 を締結する。
 
(2)  ワープロソフトや表計算ソフトなどのように全部員が使う可能性があるが、ある時点で見ると全部員が使っていないソフトウェアについては、部員数より少ないライセンスでもよい 【  j  】 を締結できるように、ソフトウェアベンダ経由で交渉する。
 
(3)  その他、限定された社員だけが使用するソフトウェアについては、その社員が、一つの契約で携帯パソコンでも利用できるような 【  k  】 を採用する。
解答群
 ア  CPU ライセンス契約 (ライセンス数分のハードウェアを特定し、そのハードウェアに限ってソフトウェアの使用を許諾する契約形態)
 イ  サイトライセンス契約 (事業所などの特定のサイトに対して包括的に使用を許諾する契約形態)
 ウ  同時使用ライセンス契約 (事業所などの特定の範囲で、同時に使用できる最大数を規定する契約形態)
 エ  ユーザライセンス契約 (ハードウェアではなく、利用者を特定してソフトウェアの使用を許諾する契約形態)
■答え■
設問1 : a−イ,b−ア,c−ウ,d−エ,e−エ,f−ア,g−イ,h−ア
設問2 : i−イ,j−ウ,k−エ
 

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